やがわまき オンライン個展『inori 祈り』 | maki yagawa

2020/12/22 07:00



2020年は多くの人にとって思いがけない年になりました。

今まで当たり前だと思っていた日常やものや世界が
当たり前ではなかったんだなと気づかされた1年でしたね。


これからどうなっていくのかわからない
先のことがわからない今だからこそ、
より自分であること、
自分の中心に戻れることが何より大切になったと思います。


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私のこと。私に起こった最初の転換点

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私のことを書きます。

私は小さい頃から、
いわゆる夢見がちな子供で、

本を読んだり、
雲の形を見て物語を作って遊んだり、
絵を書いたり、
何かを一生懸命作ったりするのが大好きでした。


本が好きだったので書店に就職しました。

そこではいろんな部署を経験させてもらった後、
最終的に好きだった制作の部署にいかせてもらうことが出来、
デザイナーとして仕事をしました。

どの部署でも先輩や周りの人たちには恵まれて、
可愛がってもらったので、
こんな夢見がちな私でも(笑)会社の中で働けていました。


だけど!
途中会社が突然破産したんです。


マイナスから再建すると言う道のりの中で、
個人よりも会社の存続を
最優先しなくてはならない状況が続きました。


心を尽くしても報われないような毎日で
何のために自分がいるのかがわからなくなってしまった。


それでも数年働き、
もう会社も落ち着いて「恩返しができたな」と思えたので退職しました。

今振り返れば、
この事は大きな最初の転換点で、

こんなことがなければ勇気のない私は
会社を辞めて1人でやっていこうとする事はなかったでしょう。

そんな選択肢があるとさえ思わなかったと思います。

本当は会社の中で働く事は向いていなくて、
そこに本当にやりたいことも無いのに。です。

この時これでもかと私を懲りさせてくれた事は
恩恵だったと今は確信しています。

会社を辞めて後は、
セツモードセミナーやアパレルの学校に通って、
作ることを思い切り楽しめるようになって、
同じことが好きな仲間にも出会えてすごく楽しくて。


初めて自分が作ったものが売れたときのこと(1枚のポストカードでした)、
初めてイラストのお仕事をいただいたときの感動は今でも忘れません。

それからは
嬉しくて感動することも、
悲しくて落ち込むことも、
両方経験しながら、
イラストレーターの仕事と紙雑貨の販売を今まで続けてきました。

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私に起こった2つめの転換点。思ってもみなかったこと。

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そして2回目の転換点と思えるようなことがあったのは
去年のこと。

それはまず喘息にかかってしまったことが
きっかけで起こりました。

咳が止まらない日々が何ヶ月も続いてしまいました。
咳ってすごく体力を消耗してしまうんです。

そんな状態の中、胃の調子も悪くなって、
あまりご飯が食べられなくなってしまって。

お粥を食べてもお腹を壊してしまうみたいな状態で、

咳の苦しさと栄養不足でフラフラな日々が
2ヶ月ぐらい続いたある日、

「あれ?」と急に正体不明の不安感に襲われました。

そしてそれが1日中消えず、
コントロールできない状態になってしまいました。

いわゆるパニック発作みたいなものだと思うのですが、
まさか自分がそうなるとは思っていなかったので、
どうしていいかわかりませんでした。

1分1秒を過ごすのが長く、
1日なんて絶望的に長い。
朝が来てまた1日が来るのが怖い。

そんな日々でした。

そんな中、私はあることに気が付きました。

1秒過去、1秒先のことを意識が行くと不安がやってくるんです。
完璧に今にいると少しずつ落ち着いてきます。

それでは"完璧に今にいる"ためにはどうしたらいいか?

それは
「自分が心を奪われるものを見たり触ったりする事」でした。

その時の私を助けてくれたもの。

それはお金でも生活必需品でもなく、

部屋の中の小さな2つのぬいぐるみであり、
心を奪ってくれる大好きな絵であり、
素晴らしい香りや手触りの何かでした。

それらは生活していくには必ずしも必要ではないものたちです。

でも私を生かしてくれました。

自分の心をときめかせてくれるもの。
それが人を助けてくれる。

それがあることで
ちょっとほっとできたり、
心が癒されたり、
周囲や不安に惑わされそうになったときに
自分に戻れたりする。

私はそんなものをつくって人に届けたい。

私がつくるのはものだけど、
届けたいのはその先にあるもの。

私は”何をつくりたいのか”がはっきり分かった気がします。

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私のいま。これさえあれば大丈夫。

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私は実は今のこの状況を
そこまで不安には思っていません。

全く不安がないわけじゃないし、
大変な状況であることはわかっています。


でも呼吸ができている。

毎日好きなご飯を食べれるし、
1日早かったなぁなんて思える。

不安になる事はたくさんあるけど、そうなったら今に戻ればいい。
そう思えるから。


このタイミングでそういう気持ちになれていたことも
また恩恵であったと思います。


ちなみにその状態は1週間位で
ご飯が食べられるようになって収まり、
それ以降はもう起きていません。


でもそういう状態には、
ほんとに誰にでもなるんだなと言うことが分かったし、
苦しんでる人の辛さの一端が
感覚的に理解できるようになったと思います。

それも恩恵の1つです。

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いまやりたかった理由。それは、

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今回この大変だった年の終わりのタイミングで
このオンライン個展をしようと思ったのは、

私の絵やつくるもので少しでも心がほっとして、
新しい年を迎えてもらえる人がもしどこかに1人でもいたら、
それを届けたいと思ったから。

この状況ではリアルでは難しいかもしれないけど、
オンライン上だったら誰でもみてもらえると思ったので
こういう形にしました。

個展のテーマは『inori—祈り』

何かを祈ること。
それはただ今にただずみ、
何事にも惑わされず、
ただ呼吸をし、
ただ自分自身の声聴くこと。

そんな自分だけと一緒にいる瞬間、
そんな祈りの瞬間を絵にしました。

不安になった時、
惑わされて自分の声が聞けなくなったとき、
自分の声を聞くための「お守り」のような絵をご覧になっていただけたら嬉しいです。

いろんなことを想像して楽しんでもらいたいので
絵にはあまり説明を加えていません。

自分と2人きりの静かな時間をぜひ楽しんでみてください。


今回、個展期間だけの受注生産品もご用意しました。

2021年の新しい日常を楽しくするためのアイテムです。

特別な時間を
一緒に過ごしてもらえたらとても嬉しい。



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イラストレーションサイト https://figpolkadot.com
紙雑貨のお店『figpolkadot
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